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電子交換相互作用で磁性状態は発現しない【第5回】~常識を問い直しましょう~

川添 良幸(かわぞえ よしゆき) 東北大学 未来科学技術共同研究センター

 生まれてこの方、学習、経験によって常識は形成される。本質的に間違っていても生活には困らないため、実はとんでもない誤解をしていることもある。教科書問題は歴史だけではない。数学、理科、その他、何にでも沢山ある。
「将来の日本を担い、ノーベル賞受賞者となる若手研究者を育てるには、単なる改良型の教育・研究ではいけない」と言うのは川添良幸教授。科学の本質に迫るシリーズ連載。

第5回:電子交換相互作用で磁性状態は発現しない

 子供の頃、馬蹄形磁石を持って砂場から砂鉄を集め、紙の上に磁力線が見えることで科学に興味が沸いた人は多いと思います。N極とS極とおまじないみたいに覚えました(北極、南極と何故言わない?)。切っても、またNとS?さらに中学校になるとフレミングの法則を教わります。先生に、何故と聞くと、法則だから!との答え。ここで頭の良い子ほど、科学というのは「暗記科目」なのだ、と理解(誤解)してしまうのです。一方、国語では、文章を読んで理解し、自分で感想を書けと言われます。これは学習指導要領で決められていることで、学校が悪いというレベルではありません。科学というよりは技術を教えたいのではないかと思われます。あまり悩まず、黙々と仕事に励む優秀な技術系労働者を育てる。
 

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川添 良幸(かわぞえ よしゆき) 東北大学 未来科学技術共同研究センター 昭和22年仙台生まれ、昭和50年東北大学大学院理学研究科博士課程原子核理学専攻を修了(理学博士)。東北大学教養部物理学科助手、同情報処理教育センター助教授、同金属材料研究所教授。定年後は未来科学技術共同研究センターで教授、現在はシリアリサーチ・フェロー。アジア計算材料学コンソーシアムACCMS創設。ナノ学会設立に貢献。現在、インド国SRM大学卓越教授、中国復旦大学顧問教授、ベトナムICTセンター長、民間企業3社顧問。