書評

一覧

題 名メタファーと身体性

著者名
鍋島弘治朗
ISBN
9784894766211
出版年月日
2016年9月9日
出版社名
ひつじ書房
価格
5,800+税
投稿日
キーワード
語学
背景
日本における認知メタファー理論研究の第一人者による最新作。認知科学の重要なキーワードになりつつある “身体性" を、アフォーダンス、ミラーニューロンなどを含めて脳科学の研究成果を紹介しながら概説。さらにアリストテレスからレイコフに至る理論へと接続し、身体性メタファー理論の原理を提示する。メタファーとシミリ、メタファーの実験的パラダイムの紹介、進化との関連、コーパスを利用したメタファー研究、政治、マーケティングなど、幅広い研究動向にも切り込んだ大著。
概要

身体性認知科学、状況認知、シミュレーション理論などの認知科学のパラダイムが脳科学と多分野で集積された研究成果により、近年の身体性研究は大きく進展している。本書はこれらの知見を紹介し、身体性に基づいたメタファー理論を構築。現実とは何か、想像とは何か、メタファー(暗喩)とシミリ(明喩)はどう違うか、メタファーでは何が「隠されている」のか、メタファーはいつ死喩になるのかなどの問題を明らかにする。さらに、メタファーはどうして美しいのかという審美性の問題を取り上げ、ギリシャから二千年を超えた謎に昨今の脳科学の発展を基に挑む。

【目次】
第1部 メタファー研究の基礎
第1章 はじめに―アリストテレスの仕掛けた謎
第2章 メタファー入門
第3章 認知メタファー理論
第4章 メタファー理論の変遷

第2部 身体性メタファー理論
第5章 身体性メタファー理論―序説―
第6章 身体性―心とシミュレーション
第7章 フレーム―現実認識はどのように形成されるか
第8章 スペース―現実と空想の関係性
第9章 身体性メタファー理論―再説―

第3部 メタファー研究の発展
第10章 メタファーとシミリ
第11章 メタファーの慣用性―コーパス研究からの検討
第12章 メタファーの証拠―心理学的実験から
第13章 メタファーと思考―危ないメタファーと現代社会
第14章 おわりに
付録 脳の構造と機能

Pocket
LINEで送る

編集部より
脳科学の発展を背景に、言語学、脳科学、哲学、心理学に触れながら、メタファーについて研究した著書。さらに身体性、状況認知、シミュレーション理論なども援用し、多角的な分析を行っている。
著者
鍋島弘治朗