題 名生体親和性に優れた診断・治療用ソフトバイオマテリアルの設計と製品化-生体高分子と合成高分子の共通点:中間水の基礎と応用-

発行日
なし
投稿日
2018.01.23
発表者名
田中賢
所 属
九州大学・先導物質化学研究所(工学部応用化学)
キーワード
合成高分子
要 約

含水した生体親和性に優れた合成高分子および含水した生体高分子(タンパク質、DNA、RNA、糖質、脂質)の共通点が中間水だ。つまり、生体に使用できるレベルの医療材料には、含水時に中間水が形成される。
このコンセプトをさまざまな材料に応用すること、また無限の候補材料から含水時に中間水を有する材料を簡便に探し出す技術開発にも展開が可能。
これにより、水が存在する環境(生体環境、地球・海洋環境)で使用可能な材料の開発を効率的に進めることができるようになる。そして、生体親和性医療・健康材料、物質の付着を防止する防汚材料、ソフトバイオエレクトロニクス・ロボティクス、水溶液電池エネルギー材料など、少量から多量まで、水が存在する環境で役に立つ材料の開発が可能になる。

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プロフィール
田中賢 病気の治療や超早期診断など、高齢社会においてニーズの大きい医療・ヘルスケア技術や製品の開発には、製品性能を決定付ける製品の表面を形成する医療材料の機能の向上が欠かせない。また、健康寿命を延伸するためには、血液などの生体成分と医療材料の接触面(バイオ界面)で引き起こされる現象を分子レベルで理解して制御する技術が必要。 本研究では、バイオ界面現象の最初のイベントである材料への水和現象に着目し、我々の身体を構成する生体高分子と生体親和性に優れる合成高分子の共通点である中間水を切り口とする材料開発の根本原理と応用について紹介する。