書評

一覧

題 名宇宙はなぜ「暗い」のか?

著者名
津村 耕司
ISBN
9784860645014
出版年月日
2017年1月25日
出版社名
ペレ出版
価格
1500+税
投稿日
キーワード
天文学
背景
著者は1982年兵庫県生まれ。 2010年 東京大学大学院理学系研究科天文学専攻、博士課程修了。博士(理学)。 宇宙航空研究開発機構(JAXA)、宇宙科学研究所(ISAS)、宇宙航空プロジェクト研究員等を経て、2016年現在、東北大学学際科学フロンティア研究所助教(理学研究科天文学専攻兼務)。 大学院時代からJAXA/ISASにてロケット観測にたずさわる。 専門は、ロケット実験CIBERや赤外線天文衛星「あかり」などを用いた宇宙赤外線背景放射の観測による宇宙の初期状態の研究。 主な研究成果に、赤外線面輝度を太陽系、銀河系、遠方宇宙の各成分への成分分離に「あかり」を用いて初めて成功したことなど。子供向けの宇宙科学の普及・教育活動にも尽力している。
概要

「夜が暗い」という不思議―宇宙の明るさから探る宇宙の姿。「宇宙が暗いなんて当たり前じゃないか」と思われるかもしれません。確かに私たちは毎日、太陽が沈んで夜になると、空が暗くなることを知っています。この夜の暗さこそが、「宇宙の暗さ」です。この当たり前に思えることは、じつはとても不思議なことで、「無限の空間に無限の恒星が一様に散らばっているとしたら、空は全体が太陽面のように明るいはず」という問題として、オルバースのパラドックスと呼ばれています。本書では、さまざまな角度から「宇宙の明るさ」について探ることでその疑問を解き明かし、その過程において、宇宙に関する基礎的な知識も自然に学んでいきます。
目次

1章 地球上から見た夜空の明るさ
 1.1 夜空を見上げてみよう
 1.2 光とは?
 1.3 色とりどりな空の色
 1.4 光害という公害
 1.5 自然の夜空の明るさ
2章 宇宙から見た宇宙の明るさ
 2.1 太陽系の惑星の動き
 2.2 太陽系の大きさを測る
 2.3 きらきら光る夜空の恒星
 2.4 天の川の外の世界
 2.5 オルバースのパラドックス
3章 赤外線で見た宇宙の明るさ
 3.1 宇宙は宇宙塵に満ちている
 3.2 温度と光の関係
 3.3 赤外線での天文観測
4章 X線で見た宇宙の明るさ
 4.1 ブラックホールの正体
 4.2 明るく輝くブラックホール
 4.3 ブラックホールは光を曲げる
 4.4 巨大ブラックホール
5章 夜空が暗い本当の理由
 5.1 夜空はどこまで見えている?
 5.2 星の寿命が足りない
 5.3 宇宙年齢では時間が足りない
 5.4 現在の宇宙の明るさは?

Pocket
LINEで送る

編集部より
本書は「オルバースのパラドックス」の謎に迫りつつ、さまざまな角度から「宇宙の明るさ」やブラックホール、ビッグバンなど、宇宙に関する基礎知識がわかりやすく解説されている。
著者
津村 耕司